<第11回富士宮やきそばアカデミー>を2012年11月30日(金)~12月2日(日)の日程で行いました。
このアカデミーは単に「富士宮やきそば」の焼き方だけでなく、富士宮市自体を知り、それを全国に広めてもらうことで富士宮市を訪れる人を増やし、また商標登録している「富士宮やきそば」のブランドを守る目的で2002年に始まり、年に1度開催しています。
今年も全国から多数の申し込みがあり、自分の店やイベントで「富士宮やきそば」をメニューに取り入れたいと考える飲食関係者など30名が受講しました。
初めに郷土史研究家渡井正二先生から「富士宮市の歴史・風土」について講義があり、戦後「富士宮やきそば」が誕生し広まっていった歴史的背景などを学びました。また、現在富士宮市では「富士山の世界文化遺産登録」を目指しているため、その構成資産である「富士山本宮浅間大社」や「白糸の滝」などについての講義もありました。
続く渡邉英彦富士宮やきそば学会会長の講義では、「富士宮やきそば学会」の活動の歴史や、ネーミングを重視したイベントの仕掛け、商標の重要性について学びました。消費者心理を表した「AIDMAの法則」など、受講生が事業をしていく上で参考になる講義もありました。
富士宮市役所フードバレー推進室佐野和也氏の講義では、行政予算ゼロで活動してきた「富士宮やきそば学会」と市役所との関わり方や、「富士宮やきそば学会」が貢献してきた町おこしの成果について学びました。市役所の新人教育でも「富士宮やきそば学会」の活動について勉強しているそうです。
夜は市内のやきそば店に移動して焼き方の実習がありました。B-1グランプリでも活躍しているアンテナショップの焼き手による指導の下、グループに分かれて焼き方の実習を行いました。
2日目はバスで市内観光と製麺会社の見学を行いました。「白糸の滝」や「田貫湖」から富士山を間近に感じ、「静岡県水産技術研究所 富士養鱒場」では「富士宮市の魚」である「にじます」を見学、「富士ミルクランド」では会長が命名した「みるく菩薩」の前で写真を撮ったりしました。また、木下製麺所の工場を見学し、麺の製造工程の説明を受けました。途中立ち寄ったやきそば店では焼き方の実習を兼ねた昼食をとり、お互いに作ったやきそばを食べ比べながら技術を高め合いました。
3日目はアンテナショップで焼き方の実習後、手順や出来栄え・味付けについて実技試験を行いました。続く筆記試験では、これまでの講義や市内観光・製麺会社の見学で学んだことが出題されました。
実技試験と筆記試験の総合評価の結果、残念ながら1名不合格だったものの、補講とその後の追試によりなんとか無事に全員合格し、「麺許皆伝書」と記念のヘラが授与されました。